お子様の矯正でいつもお顔を合わせるBさん。
今回、初めて当院に通うということで、先ずは全体のチェック。
Bさんも自覚症状はないのですが
前歯の歯茎から膿みが出ております。
診ると、前歯には2本連結した被せ物が・・・
お聞きすると
お若い時分に上唇から出ている前歯がイヤで
むし歯ではないけれど
審美目的で歯の神経の治療をして
セラミックスをかぶせたとか。。。
健康な歯を削って
神経を抜いた・・・つまり、その歯はその時点から生きていないわけですね~
レントゲン写真を取ると
やはり、根の先に黒い影が・・・
しかも、結構大きくなっております。
「神経を取る」ということは
その歯は生体の中に刺さる「異物」とほぼ同じ状態なのです。
しかも、その「異物」は歯髄や血液・水分など、もともと豊富な有機質を含んでいたので
細菌が侵入・繁殖するのは当然ですね。
根の先に残った有機質に繁殖した細菌。
細菌と戦っている生体(白血球)。その屍骸が膿です。
炎症が慢性化して、歯の根を支えている骨を溶かして、
まるで噴火口のように膿の通路が出来ております。
問題は口の中だけでなく
全身の問題となることも珍しくありません。
(病巣感染と云います。)
この場合、残念ですが被せ物を外して
根の中に入っている根充材を外して
感染源の治療をして
残るかどうかの確認をして
被せ直しできれば被せ直し。
問題が解決しない場合は
抜歯となってしまいます。
非常に残念ですが・・・
振り返ってみると、何より「神経の治療をしないこと」が大事で
今回の場合、審美目的で安易に神経の治療をしたことが悔やまれます。
そのことはBさんご自身が
よく自覚されていて
「自分のようにしたくないからハマヤで子どもの矯正をお願いしているんです。」
とおっしゃられていました。
「前世代の失敗を教訓として次世代に活かす」
医療にとっては、とても大切なことですね。
院長も頑張って治しますよ!!