昨晩の深酒(?)にもめげず
今日も朝から田町で晶子先生と勉強会です。
月1で開催される学際企画さん主催の勉強会は
毎回、大変面白い内容の講演ばかりです。
今回のテーマを平たく言うと
「結局、かみ合わせや歯並びは、何歳から治すのが正解なの?」って内容です。
講演の内容に新味なものは
あまり含まれませんが、
あまたある学説・論文を振り返りつつ
結論としては
やはり「下の前歯4本が出る頃に診断する」
のが、正しいようです。
特に印象的だったのが
「下の犬歯(真ん中から3番目)が出てしまうと、下顎の拡大は難しい」
ということと
「一旦拡げた下顎も第2大臼歯まで萠出した永久歯列になると犬歯~犬歯の間が縮む」
ということ。
我々にとっての日常臨床では、いつも見ている現象なのですが
100人、1000人規模で、しっかりと経時的に
データを取って検証するとはっきり分かります。
縮む距離・・・なんと2.4mm!!
2.4mmはお口の中では大きい数字です。
もちろん矯正するしないにかかわらずですから、
「大人になったら、下の前歯が凸凹してきた」
は当たり前のことなのですね~
この自然の摂理に抗って
下の前歯をきれいな歯並びとして維持するには
長い期間(ほぼ一生)
歯並びを維持し支える力(保定力)を
かけ続けることになります。
濱谷歯科では、もちろんいつまでも美しい歯並びを保ってもらいたい、
と願っていますが、、、
これってどうなの?
また、もう一つの難問
「日本人の下の前歯は大きくなっている」
という事実。
院長も歯並び相談にいらっしゃる方の
模型を分析しますが
ほぼ全員「下の前歯と上の2番目の歯は大きい」です。
このことについても
本日の講師も語られていて
「原因の一つは出生後~生後1年の過栄養ではないか?」
とおっしゃっておられました。
ちょうどその時期に赤ちゃんの顎の中で
その歯は出来始めますからね。
また、院長も知らなかった内容としては
「むし歯で神経の治療をした乳歯の、あとから出て来る永久歯は曲がって生えてくる」
ということ。
これは、偶然ではなく、ほぼ全部で確認できるそうです。
濱谷歯科でも検証してみます。
理由は簡単です。
神経の治療をした歯は生体にとっては「異物」。
出ようとしたときに「異物」が邪魔するから方向を変えるしかない、
ということです。
また「永久歯胚が感染することを避けるため」という
考え方もあります。
神経の治療後の乳歯は永久歯にとっては
「感染源」でしかないんですね。
拡大床をしている場合は
今後、神経の治療をしている乳歯は
早めに抜歯することになるでしょう。
いずれにしても「むし歯にしないこと=予防」していくことが
余計な治療を繰り返さない
生体に優しい「唯一の方法」であることに
間違いはないようです。